タイにおけるチャイルドシート着用について
国際的な流れではありますが、タイ政府は2022年3月7日から「道路交通法(No.13)B.E.」を交付し、6歳未満または身長135センチメートル以下の子どもにはチャイルドシートの着用を義務付け、120日以内に施行することを発表しました。
違反した場合2,000バーツ以下の罰金で、車の後席乗員もシートベルトを着用しなければなりません。ネット上においては、この法律に対し否定的なコメントや不支持が表明されていますが、その多くは、所得が低くてチャイルドシートが買えないといった問題やチャイルドシートの装着に適さない車両がある問題や、タイ政府が一方的に国民に費用を押し付け、安全装置使用の推奨はしていないことなどです。
チャイルドシートの装着義務は良い法律だと思いますし、先進国では大した問題にはならないような気がします。しかも、国によってはタイよりも厳しい罰則を設けているところもありますが、人々はこうした義務を遵守し、自動車の安全運転に徹しています。無論、タイ政府も国民を支援していますし、タイ人にとっても、親が子供の安全を意識していれば、チャイルドシートの施行は問題ないはずです。
例えば、裕福な家庭は、シートベルトができないリアキャップのトラックは購入しないでしょうし、もっと質の高い車や、子供の多い家庭であれば、ファミリーカーを買うでしょう。
タイ政府は、安全を買うためであれば、問題は無いという見方をしている節がありますが、よりタイ社会の全体像を見て、裕福ではない家庭にも支援策を用意するべきなのだと思います。
安全性についていえば、親が子供の安全を意識していることが肝要で、チャイルドシートの値段は数千バーツで良く、それであれば法律に反対する言い訳にはならないと思います。しかし、チャイルドシートがあるからといって安全が保証されるわけではなく、他の問題点の改善が必要です。路面の悪さ、運転の不注意など、他の外的要因も同様に解決策を講じる必要があると考えられます。さらに、タイ政府は、チャイルドシートの特別価格での貸し出しサービスや、チャイルドシートを使用する家庭への減税措置など、あらゆる層の人々がチャイルドシートを利用しやすくなるような支援や対策を練るべきです。運転中に子供を抱いたりすることは、死に至るような重大事故を起こしたときには、安全無視したことになるので、大切な人の命を預かるのであれば 言い訳をしようなんて思わないほうがいいと思います。たった数千バーツで命の安全が買えるのなら 手遅れになる前に、一番大切な人のためにベストなものを選ぶことも大切ではないでしょうか。